そこに、2期6年の自民党総裁任期が延長されるという報道が出てきている。これまで安倍首相の任期は2018年までと思われていたが、3期になると安倍政権は2021年まで続くことになる。これに伴って、日銀総裁の人事も影響を受ける。日銀総裁の任期は5年だが、黒田総裁が再任される、もしくは黒田総裁と同様のポリシーを持つリフレ派が総裁に就任する確率が上がり、2023年まで金融緩和が続く可能性が高まる。そうなると逆に不動産価格は、東京オリンピック後も高止まり傾向を想定しなければならなくなるだろう。

 1980年代のバブル期は、地価が際限なく上昇を続けたことが要因となり、バブル崩壊後は金融機関がお金を貸さなくなったことで地価の下落が止まらなかった。バブル期と現在の違いは、不動産鑑定評価の手法にある。

 不動産評価の手法としては、(1)取引事例比較法、(2)収益還元法、(3)原価法の3つが使われている。以前は(1)の取引事例比較法が主流(と言うより、それしかなかった状態)であった。つまり、隣の土地が1年で2割上昇すれば、周辺の地価も2割の上昇を余儀なくされたのである。しかし、この手法で評価すると、不動産価格が際限なく上がり続けることが可能になり、結果的にバブルを生んでしまった。

 今は(2)の収益還元法で不動産価値は評価される。これは、将来得られるべき資産価値を予測し、現在の価値に割り戻してどれだけのキャッシュを生み出すかで不動産の価格を決める方法である。その割り戻す利回りは上下に変動しても、市場の原理が働くので、上限や下限の値には暗黙の了解が存在している。すなわち、不動産価格が過熱することがあっても、今がバブルと言えるような水準ではないため、大幅に価格を下げるということもあり得ないのである。

中古価格は「売り止め」頻発で高原状態
分譲年と中古騰落率で資産の明暗がわかる

 自宅を購入する上で1~2割の頭金以外は住宅ローンを組む人が少なくない。自宅の売却時には住宅ローンは全額返済する必要がある。たとえば、頭金が1割の人は物件価格が1割以上値下がりすると買ったときよりも価格が安くなり売却損になるため、売るに売れなくなってしまう。結果、マンション価格が一気に下がることはなくなる。なぜなら大幅に下がると売り物件が少なくなるからだ。

 とはいえ、アベノミクスで総じて含み益が出たマンション購入者は非常に多い。東京23区内に2001年以降に購入した人は、平均で5%以上の含み益が出ている。10%以上の含み益が出ている行政区は7つに上り、都心で買った人ほどその含み益の幅は大きい。逆に23区内でも10%以上含み損を出した足立区のケースもあるので、購入するエリアの資産性は非常に重要である。