社会に出たあとこそ活かせる最強の暗記術
みなさん、気づいていながらも言葉にしていませんが、試験に合格することで仕事が手に入るわけではありません。ましてやお金を稼げるわけでもありません。試験に合格しないとスタートラインに立てないだけで、あくまで試験は通過点にしかすぎないのです。
社会に出て結果を出すためには、さまざまなハードルをクリアしなければいけません。社会に出れば、今までのような同学年を中心とした同世代だけとの争いではなく、社会に出ている人、全員がライバルになります。自分より頭のいい人なんていっぱいいます。一流大学出身の人なんて、わんさかいます。
そのなかで生き抜くためには、人一倍努力して、いっぱい働いて、「石の上にも三年」とやりたくもないことをひたすら頑張っていればいいのでしょうか。
それは違います。人生において大事な「学び方」を変えればいいのです。
人生において大事な勉強だからこそ、うんとラクをしないと続けられません。そこで、「覚える→思い出す」の暗記術を社会に出てからも活かすのです。
私の暗記術は、試験に合格することに特化した画期的な方法として受け入れられた一方で、「合格できても社会で結果を出せないのでは」といった批判もありました。
しかし、答えを暗記するこの方法は、社会に出てからのほうが効果的に使えるのです。むしろ、社会人にこそ必要なスキルと言っても過言ではありません。
試験における「答え」に相当するのは、先人たちの「成功」です。答えを暗記するように、それらの成功を丸覚えして真似ることで、ゼロから始めるよりも効率よく、そして確実に結果を出すことができます。
「自分の頭で考えろ」という言葉をよく聞きますが、多くの人は「考えなくてはいけない」という意識にしばられすぎています。私からすると、考えようとするあまり、かえって迷宮に入り込んでしまっているように見えます。
何もない、まっさらな状態から考えていたのでは、労力も時間もかかります。失敗する可能性も大いにあります。それでは結局、遠回りになってしまいます。
最初は、ものまねでいいのです。それを繰り返しているうちに、得た知識は自分の血肉となり、経験となって刻まれていきます。そこからオリジナリティも生まれてきます。
よく個性や自分らしさを強調するために、アレンジを加える人がいますが、それも違います。先述した暗記術には、アレンジはいりませんよね。
とにかく答えをそのまま、真似ればいいのです。
この「ものまね」こそが、『ずるい勉強法』の極意です。