社員の残業状態をしっかり把握せよ
株式会社ジェイ・ポート(大阪府/産業廃棄物処理)は、産業廃棄物処理の会社です。
樋下茂社長は、残業減の取り組みの前に「社員が今、どのような価値観を持っているのか」「残業があるほうがいいのか、ないほうがいいのか」を把握することが大事だと考えています。
「残業しがちな社員の多くは、『忙しいから残っている』と言うので、人を増やせば早く帰れると思って増員したが、やっぱり残っている(笑)。
経営者としてはお恥ずかしい限りですが、社員が『早く帰りたいのか』『ある程度は残業をしてでもお金がほしいのか』『残業はしたくないけれど、仕方なく遅くまで働いているのか』など社員の考えが見えにくくなっています。
そこで、アンケートを取ったり、面談をやりながら、どうして残業がなくならないのか、社員がどのような事情を抱えているのか、その事実を知る必要があります」
(樋下社長)
株式会社末吉ネームプレート製作所(神奈川県/ネームプレート製造)は、金属プレート、シール印刷、シルク印刷の3つを軸に、ネームプレートの開発・製造を行う会社です。沼上昌範社長も、「どうして残業が多くなるのか」を見える化することが大切だと言っています。
「残業時間を減らすには、仕事の見える化がとても大事です。なぜ忙しくなるのか、なぜ残業をするのかを把握しなければ、効果的な手を打つことはできません。
忙しくしている社員の場合、仕事の優先順位をつけられないので、『A/緊急にやらなければいけない仕事』『B/緊急ではないがやらないと困る仕事』『C/重要ではないが急ぎの仕事』『D/やってもやらなくてもいい仕事』の4つに仕事を分類させています。
最初に着手すべきは『A』ですが、残業をする人は『A』の次に『D』に取りかかっているので、『D』をやめさせることが必要です」(沼上社長)