損益計算書と変動損益計算書の違いとは?
以上、ご覧いただいたように、会社の原価や経費は、大きく区分すると変動費や固定費に分類できます。
この原価や経費を変動費と固定費で区分した計算書のことを、変動損益計算書といいます
「率」で業績を管理する場合は、この変動損益計算書を使って業績を把握します。
<変動損益計算書>
(1) 売上高
(2)- 変動費
(3) 限界利益
(4)- 固定費
(5) 経常利益
この変動損益計算書を使う代表的な計算方法が、「損益分岐点売上高」の算出です。
これは、会社が損益0になる際の売上高がいくらなのか?いわゆる損益トントンになる数字がいくらなのか?を、利益から逆算して売上高を算出する方法です。
通常であれば、(1)売上高から(2)変動費を差し引いて(3)限界利益を出し、そこから(4)固定費を差し引いて、(5)経常利益を出す、と考えます。
ところが変動損益計算書での出発点は、一番下の(5)経常利益からとなります。
はじめに(5)経常利益に(4)固定費を足して、(3)の限界利益を出す。そして、限界利益を(1-変動費率)で割って、(1)売上高を算出します。
変動費率とは、売上に対する変動費の比率のことです。
損益分岐点売上高に関しては(5)経常利益を0と設定すると、算出できます。
このように、変動費と固定費に区分することで、変動費は「率」でチェックし、固定費は「額」で管理するという各々の経費の特徴を捉えることができるため、より正確に業績の把握・管理が可能になります。
売上が増減すると、利益がどれだけ増減するのか?変動費や固定費がそれぞれ増減すると、利益にどのような影響を与えるのか?
ご自身の仕事で取り扱う数字についても、一度シミュレーションしてみてください。
売上から物事を考えるのではなく、利益から物事を考えるという目線の違いも体感できると思います。
※次回は、12月8日(木)に掲載します。