子どものピンチは
黙って見守る

一般財団法人雇用開発センターが公開している、「就職活動に対する大学生保護者の意識」に関する調査(平成26年9月30日)の中で、「就職先の労働条件が悪かった場合、親としての対応(推奨内容)」という項目があります。全体の回答のうち、「しばらく我慢することを勧める」(45.9%)と「労働環境の詳細を記録しておくよう勧める」(43.5%)が親の2大対応策となっています。

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 これは重要なことで、特に就職支援などで携わっている場合には見守ることが重要です。なぜなら本人が働く覚悟をして就職した場合、職場のイメージと事前のイメージにギャップが生じて早期退職になるケースが発生するからです。

 また、働くうちに「もっと良い就職先があるのではないか」と感じることがあります。その言い訳を口実にして退職(逃避)すれば、転職を繰り返すことになりかねません。転職の繰返しを防ぐためにも一定期間様子を見たり、話を聞いてあげたりすることが重要になります。

 すでに大学では保護者向けの就職説明会が当たり前の時代になってきました。日本の18歳の人口が減り始める2018年問題もあり、大学では入学志願者を確保するために、就職率や就職先の情報が重要になっています。また就職支援センターや公共の就職支援事業でも保護者向けの就活セミナーが開催されています。一方で、有名企業でも保護者同伴で内定式を実施したり、保護者代表挨拶などを設けたりしているところもあります。

 今後、企業でも保護者向けの内定式を開催する、内定者懇談会に保護者も同席させるといったケースが増えてくるでしょう。そうした一方で本当に必要なのは、子どもを自立させるための親の覚悟ができているかどうかです。親がどこまで子どもの就職活動に関与してくるのか、わかりませんが、バブル期とは異なる環境要因が増えていくのは間違いないと思います。

(櫻井樹吏)