「コンパクトカーの販売推移についてグラフにしてほしい」
しかし、これだけでは目的や目標がはっきりしていません。何のためにグラフを作るのか。グラフを作ることで何を理解したいのか。見えてこないのです。
結果として、上司が求めていたものとは異なるピント外れのグラフを作ってしまったり、ただグラフを作ることが目的になってしまうことも起こり得ます。
例えば、上司がここでもう一歩踏み込んで
「計画と実績の差異が見たい」
「競合A社と自社の販売実績の差異がわかるものが欲しい」
と説明してくれていたら、部下はよりグラフを作りやすくなったでしょう。これこそが、仕事の目的を明確にする、ということです。
ただ、上司がいつでもここまで説明してくれるとは限りません。仕事の受け手は、そのことを理解して、自ら仕事の目的や目標を定めていかなければいけないのです。
では、「仕事の目的・目標(到達レベル)」を明確にして使っていこうとするとき、必要になっていくものとは、どのようなものでしょうか。そのために、トヨタの仕事術には、七つのノウハウがあります。次回から、それらを紹介してきましょう。