震災で高まる若者のボランティア熱――。<br />あなたも「ボラバイト」で地方活性化に貢献しようホームページには、ボラバイト体験者による体験談が約700件寄せられている。リアルな声が満載なので、ぜひ参考にしたい。

 未曾有の大震災が東北・関東北部を襲い、世界中に衝撃が走った。あまりにも過酷な避難所生活を余儀なくされている被災者たちの姿に、現地の1日も早い復旧を願わずにはいられない。また同時に、いてもたってもいられず、被災地でのボランティア活動を志願する人もきっと多いことだろう。

 しかし、現時点(3月18日時点)では、個人単独での現地入りは慎むべきとされている。被災地ではまだ受け入れ体制が整っておらず、依然として危険度も高いため、現地の人々の迷惑になるケースも想定されるからだ。

 善意による自発的行動は非常に尊いものであるが、しかるべき時期を待ったほうが賢明であろう。

 そんな今、ボランティアの新しいスタイルが注目されているのをご存知だろうか? その名も「ボラバイト」。“ボランティア”と“アルバイト”の造語だ。全国の農家や牧場、ペンションなどの繁忙期にボランティアとして働きながら、同時に報酬を得るというものだ。

 この「ボラバイト」を運営しているのは、株式会社サンカネットワーク(東京都杉並区)。インターネットを駆使し、ボラバイトを希望する人(ボラバイター)と受け入れ先を繋ぎ、マッチングさせる役割を果たしている。開設から11年、今ではボラバイターの累計数は約4万人、受け入れ先も約1万軒に及ぶという。

 たとえば、具体的な求人案件と報酬は以下の通りとなっている。

・栃木県の農家でいちご栽培手伝い……日給3500円
・静岡県の農家でお茶作り手伝い……日給5040円
・奈良県の養鶏農家で鶏の世話手伝い……日給3200円
・沖縄県の農家でジャガイモ収穫手伝い……日給3200円

 ちなみに、宿泊先は受け入れ先が用意し、食事はボラバイターが自炊で用意するというケースがスタンダード。交通費はボラバイター側の負担となる。

 応募資格は特になく、中学卒業以上であれば年齢制限もない。また外国籍であっても、日本語ができてワーキングビザを取得していれば、基本的には問題ない。ただし留学生の場合は、入管管理局などで資格外活動の許可を受ける必要がある。働く期間は各々設けられているが、場合によっては相談することも可能だ。

 参加を希望する若者にとっては、地方に貢献できると同時に、土地の人たちとの濃密な触れ合いも大きな魅力であるようだ。このような地域との交流やコミュニケーションは、必ずや地方活性化の一翼も担うはずだ。

 このボラバイトしかり、先の大震災での支援活動しかり、意欲的かつバイタリティ溢れる若者たちの力はとてつもなく大きいはずだ。そんな若いパワーに期待しながら、被災地の復興を心から願うばかりだ。

(田島 薫)