なぜカプレーゼではなく、プロシュートにしたのか?
佐々木圭一公式サイト: www.ugokasu.co.jp www.facebook.com/k1countryfree
Twitter: @keiichisasaki
坪田 まんがの主人公である、新米編集者の五十嵐舞ちゃんは、コミュニケーションで失敗して落ち込んだり、イライラしてしまったりする。でも、「伝え方の技術」を知ることで少しずつ成長していく。舞ちゃんがかわいくて魅力的なのもありますが、すべてのエピソードが多くの人にとって「あるある!」と共感できるものなので、自分自身を投影できて、物語に入り込めるんです。あと、先ほどおっしゃっていた「小ネタ」もいいですね。舞がみたらし団子好きなのも、単に好きという設定なのかと思ったら、最後までキーになっていたりするんですよね。こういう伏線がちょこちょこ盛り込まれているのも面白い。
佐々木 わ~、そこまで読み込んでいただけるなんて。
坪田 舞が彼氏・祐二君とイタリアンでデートするシーンがあるじゃないですか。でも、「祐二に染み付いたタバコの臭いがさっきから気になって、せっかくの料理が楽しめない」とイライラしてしまう。タバコを止めてもらうために、「チームワーク化」という技術を使って伝えよう…と舞が思いつくという重要なシーンですが、そんな中、この祐二さんは「このプロシュート食べていい?」とのんきに構えている。ここ、「なんでプロシュートにしたのかな」みたいなところが、僕は結構気になっています(笑)。
佐々木 実は、プロシュートにするかどうかで、けっこうディスカッションしました(笑)。
坪田 本当ですか!そこでディスカッション?(笑)
佐々木 初めはサラダだったんですが、シナリオライターさんと「このシーンはサラダじゃないだろう」という話になって、次にカプレーゼになったんですが、「カプレーゼっていっても、みんなわからないんじゃない?」と。だから「生ハムあたりがいいんじゃない?」と返したら、シナリオライターさんがプロシュートと書いてきて、なるほど、ちょうどいいなと。…この祐二君の一言のために、何度やり取りしたか。
坪田 なるほど~!すごいこだわりが感じられます!
佐々木 土江編集長に「ここまで時間をかけて作ったビジネス書まんがはないんじゃないか」と言われました。半分いやみだと思いますが(笑)。でも、ディテールに神が宿るから。
坪田 いやはや、さすがです!