AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。本連載では、藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』の内容をもとに、「高校生に語りかける形式」で2020年代の近未来の姿や、未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方などをお伝えしていく。今回は連載第7回目、テーマは「人生設計」。

キャリアは「決める」ものではなく、「偶然」を掴み取るもの

人生は出会い頭の事故から始まる

 意外に聞こえるかもしれませんが、人生をあらかじめ設計しようとしてもうまくいくものではありません。99%が偶然の出会いによって起こると言っても過言ではないでしょう。

 人との出会いには限りません。物事との出会い、ちょっとした経験、偶然置かれた環境……そうしたものに影響されて、人生はどんどんズレていくものなんです。

 野球のイチロー選手やサッカーの香川真司選手、あるいはフィギュアスケートの羽生結弦選手や卓球の福原愛選手のような、まっすぐな人生を歩める人は稀です。

 逆に言えば、9割以上の人は運命づけられていない人生を歩みます。

 最初に入社した会社で、ある程度人生が決定されたのは、親の世代まででした。君たちは、どんどんズレていっていいんです。