横断幕は書類ファイルに
酒の空き瓶はランプに

イベントの横断幕で作られた書類ファイル。丈夫で耐水性のある素材が生かされている

 それ以外に筆者がよく使用しているのは、書類ファイルだ(写真右)。これは、野外イベントで使う横断幕を使ったものである。

 イベント用の幕は、そのイベントごとにつくられるが、イベントが終わってしまえば無用の長物となる。マレーシアではゲリラ豪雨が頻繁にあるため、幕は突風にも飛ばされない重厚さと耐水性が求められる。そんな素材を使って、書類を守るためのファイルを作ったのだ。筆者は印刷物を持ち歩くことが多いため、丈夫で中身を守ってくれるこのファイルは、かなり重宝している。

空き瓶や廃材を活用して作られたランプ。太陽電池内蔵で、ネパール大地震の被災地で喜ばれた

 彼らが創るのは、こういった手工芸的なものに限らない。左の写真にあるのは、太陽電池を内蔵したランプだ。電球のガラス代わりに使われているのは、お酒の空き瓶である。奇妙なことにマレーシアでは、空き瓶のリサイクルが行われていない。瓶メーカーは、日に日に増える要らない空き瓶の処理に困っていた。メーカーから相談を受けた彼らは、写真のようなランプを作った。

 瓶以外の外側部分も、すべて廃材を再利用している。瓶の下の木の箱には、コンピュータの基盤と蓄電池が内蔵されており、別に作った簡易ソーラーパネルと組み合わせて蓄電させる。電池がなくなれば、コンセントから供給することも可能だ。

 実は、このランプは、以前起こったネパール大地震のために開発したのだという。インフラの整っていないネパールでは、地震の被害者たちが全く電気のない生活を強いられた。夜は真っ暗だ。そんな中、充電可能なランプは彼らにとって、大変な価値を持つものとなる。地震の後、Biji-bijiのスタッフたちは、不眠不休で2週間、これを1000個作って送った。

 材料費は、コンピュータの基盤と、中の配線用品だけだ。現在コンピュータの基盤は3000円程度で手に入るため、これを作るための原価はそれプラス数百円である。これなら、NGOや政府が彼らから買うことができる。

 これ以外にも、ペットボトルを溶解させて原料から、好きなデザインのプラスチック製品をつくることのできる3Dプリンタのようなマシンを開発したりしている。