太田道灌が活躍した15世紀の後半、今の常盤橋あたりに全国各地から物産が集まる繁華な市があったという。東京の商店街のルーツである。
江戸時代の商人町は魚河岸を中心とした日本橋が筆頭で、青物の方は京橋に大根河岸があった。そして明治以降は、銀座が日本を代表する商店街として発展を続けていく。いつの時代にあっても東京の商業の中心地。中央区の商店街は、そんな歴史の中に生きている。
強者のメカニズムが生む
ピカイチの成長力の源泉とは?
中央区の小売年間販売額は1位。規模が大きいだけではない。中身が濃い。まず注目すべきは販売効率(売場面積当たりの販売額)の高さで、全店舗平均の販売効率は1位となっている。専門店は2位ながら、食料品専門店はやはり1位。老舗パワー全開の感がある。
成長力の高さもピカイチだ。過去5年間の小売店舗数の増加率は1位。特に専門店と食料品専門店は、23区中22区までがマイナスを示す中で、中央区だけが店舗数を増やしている。まさに一人勝ち。5年前と比べた販売効率の伸び率もまた、中央区がトップである。
老舗商業地が培ってきたブランドが人を惹きつけ、成長を支える土壌がいっそう豊潤さを増す。その上に新たな魅力がさらなる花を咲かせながら、量の拡大と質の充実がタマ突きのように進んでいく。中央区一人勝ちの裏には、こんな強者のメカニズムが働いている。