変転激しい中米ロ「三国志」
日本はどうする?

 ロシアは永遠に、クリミアをウクライナに返さないだろう。つまり、ヘイリー国連大使は就任早々、「対ロシア制裁は、永遠に続きます」と宣言したのだ。
 
 ロシアの悪夢は、さらに続いた。トランプ政権・親ロシア派の代表的人物フリン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が2月13日、辞任に追い込まれたのだ。

 理由は、同氏がトランプ政権発足前に、ロシアの駐米大使キスリャク氏と「制裁解除」について電話で協議し、その後、政権内で虚偽の説明をしていたこと。さらに、この原稿を書いている最中、セッションズ司法長官が苦境に立たされている。理由は、またも「ロシアがらみ」だ。

 彼も昨年、キスリャク大使と会談したが、承認公聴会では「ロシア人たちとは連絡をとりあっていない」とウソをついたという。このように、「親ロシア」トランプは、追いつめられている。
 
「ロシアと和解して、中国に勝つ」方針のトランプ。しかし、中国の巧みな工作によって、その大戦略は破壊されつつある。米中関係は好転し、米ロ関係は悪化している。このような状況で、日本はどう動くべきなのだろうか?

 まず、日本はこの「三国関係」で「プレイヤーにならないこと」が重要だ。筆者は自虐史観をもっていないが、日本は、「外交力」「諜報力」「工作力」などで、米中ロに到底及ばない。つまり「三国関係」については、米中ロに勝手にさせておけばいい。

 その上で、日本は、「基本的な戦略」を堅持することが重要である。この戦略は主に3つある。

1.米国との関係をますます強固にし、中国が尖閣・沖縄を侵略しづらい状況をつくる。
2.ロシアとの関係をますます改善し、結果的に中国とロシアを分断する。
3.中国を挑発しない。

 1と2は理解しやすいが、3は説明が必要かもしれない。

 日本政府が、「親日トランプが後ろにいるから」と調子に乗って中国を挑発したとしよう。中国は、「米国が日本の後ろにいるから」動けない。

 ところが、中国は、さらに工作を続け、ついにトランプを味方にするに至った。その時、日本の挑発で日中関係がひどく悪化していれば、中国は遠慮なく尖閣を奪いに来るし、米軍は動かないだろう。だから日本は、トランプ懐柔外交を続けるとともに、中国に動く(尖閣を侵略する)口実を与えてはいけないのだ。

 今年は、日中戦争開始から80年にあたる。1937年にこの戦争がはじまった時、日本は、米国、英国、中国、ソ連を同時に敵に回していた。つまり日本は、「孤立したから戦争に負けた」のだ。
 
 日本は、歴史の教訓を活かし、「孤立しない外交」を展開していかなければならない。