「オムツからの解放」も可能?
オムツ業界は強い関心

――さきほど「オムツからの解放」とおっしゃいましたが、まさに製品名の「DFree」が、その意味なのですね。

「はい、『Diaper』(オムツ)から『Free』(解放される)ための『DFree』です。介護の現場を見て、改めて、可能な限り自立排泄を促すほうが、介護の負担も患者さんの負担も、またオムツ代などの費用負担も圧倒的に減ることがわかりました。

 ただ、従来の定時にトイレに誘導する方法では、“空振り”も多く、トイレに行ってもまだ尿が十分に溜まっていないなどで、排泄できないということがあります。本人も夜中に起こされてトイレに行っても出なかったので、「もうオムツでいいや」と自立排泄を諦めてしまう。

「“排泄の予知”で幸せになれる人はたくさんいるはずです」と語る中西さん

 デバイスを使えば、ちゃんと排泄できるタイミングで起こせるのでそういうことはなくなります。あるいは、感覚が鈍くなっていると、出し切れないままトイレを出て、再び寝て漏らしてしまうこともある。これもまだ出きっていないことを客観的にデータで把握できれば、回数を増やしたり、本人にデータを見せて尿意を意識してもらうなど、さまざまに対応できます。オムツは『最後の手段』です。できる限り『オムツから解放される』というのは自分らしく尊厳を持って生きることにつながります」

――「DFree」が普及すれば、介護施設からオムツの使用量が劇的に減るかもしれませんね。オムツ業界にとっては複雑でしょうね。

「実は既に国内のすべてのオムツメーカーから、それぞれ、『ぜひ、話を聞きたい』と声をかけていただき、全部の会社に訪問して製品の説明をしてきました。皆さんからは『高邁な志を応援しています』と言っていただきました(笑)。

――すべてのオムツメーカーが、関心を示さずにはいられないくらい、画期的な技術であり、製品であるということですね。

「2014年にアメリカで起業したのですが、それ以後、毎日のように、20ヵ国にものぼる世界の国々から問い合わせが来ています。介護だけではなく、例えば、二分脊椎症といって、本来脊椎の管のなかにある脊髄が、管の外に出ているため運動機能や知覚に障害を及ぼす病気があります。尿意がうまく把握できず学校でお漏らしすることがあるために子どもがいじめられている。『一刻もはやく開発してほしい』と親御さんに懇願されたり、夜尿症の患者さんなどの需要もあります。不安で外出や水分の摂取を我慢して控えていた人も、計画的に自分の排泄を管理して外出を楽しんだり、好きなコーヒーや紅茶を控えなくてもいいなど、介護状態でなくても、“排泄の予知”で幸せになれる人はたくさんいるはずです」