知識を積み上げて視野を広げよう
また、学力や基礎知識がないと視点が低いままになりますから、目の前に障害物があると向こうまで見通せません。
僕はいつも生徒たちに実体験でシミュレーションをさせます。まず、椅子をどけて机の後ろに隠れるようにしたときには、前がどうなっているかも見えません。世の中は見えないままだし、この状態で何かを判断するのは危険です。君たちはまだこういう状態かもしれないね、と。
次に知識を積み上げて机から顔を出すようにすると前が見えるようになります。でも、まだ見通せるわけではない。前の子の後頭部しか見えないでしょう。さらに椅子を戻して座って見ると、もうちょっと視界が開けます。
もっと知識を積み上げて立ち上がったらどうでしょう。前に座っている友だちの頭の向こうに、教室全体を見通すことが可能になります。
視点が上がることで、視野が広がり、世の中が見えやすくなりました。これなら、総合的に判断することもできそうです。このように、知識を積み上げて視野を広くすることは、人生における選択の幅も広くします。
だから、まだどっちの方向に自分の人生を振るか、どんな仕事をするかを決めていないのだったら、まず学力を上げておくしかない。それが、どんな職業に就き、どんなキャリアを積み上げていくかの決定を先送りする最低限の条件になります。
特別な才能がないのだったら、勉強して学力を鍛えておきましょう。