営業マンとしては「納期に間に合わず、本当に申し訳にない」という感情を顔文字で伝えたかったのだろう。しかし、このメールを見た社長は激怒し、それ以降の取引をやめた。

 ここで営業マンがやるべきことは、納期の遅れをメールで伝えるのではなく、直接お会いして謝罪するべきだった。聞けばその営業マンは若くて熱心な営業マンという印象だったという。しかし、そのメール1本で、今まで築き上げた社長との信頼を一瞬で失ったのだ。

 私は毎週、大学生に向けて営業の授業をしているのだが、授業の合間に20代前後の若者とよく雑談をする。

 うちの学生の話によると学生同士で電話をする場合であってもSNSで「今から電話してもいい?」とメッセージを送るという。友達に電話をするのにもアポイントを入れるのは驚きだ。またよっぽどの用件でない限りSNSかメールで用件を済ます。

 それが学生間での常識なのだ。

 仮に学生にこの“謝罪メール”の話をすれば「そんなことで激怒する社長がおかしい」と答えるだろう。SNSでのやり取りを主としている世代の人には《その程度でどうして仕事の関係を切らなくてはらなないの?》と理解に苦しむのは間違いない。

 好むと好まざるとにかかわらず、営業マンになったあなたは、まず「学生時代の常識と社会の常識は違う」といったことを知る必要がある。その営業マンも「納期の遅れの対応はまず電話で謝り、その後直接謝罪に行く」ということさえ知っていれば、関係を切られることもなかった。本当にもったいないことだ。

新人でなくても
間違った使い方をしている人

 納期の遅れをメールで、しかも顔文字付きで知らせる――。

 《そんな非常識な人がいるのかぁ》と思ったあなた、本当にお客様への対応がキチンとできているだろうか。

 実は、経験を積んだ営業マンであってもやってはいけない行為をしている人も多いのだ。先日、異種交流会で名刺交換した生命保険の営業マンからSNS経由で「来週のどこかで時間をもらえます?」とアプローチされた。それも友達を誘うかのように。こういったアプローチをする人とは時間を取って話をする気にはならない。

 おそらく、私以外の人にも同じようにしているのだろう。これでは交流会で時間と労力をかけて集めた名刺も活かせない。このようにSNSの使い方を間違えている人は実に多い。