自己負担4000円で
日本中の学生がボランティアに参加できる

――今までは何人の学生が被災地に向かったのですか

 登録の学生数は、今約2200名ですが、実際に現地にいった学生は250名程度です。関東の学生が多いのですが、最近は関西の学生も増えてきました。

 いま、『4000円プロジェクト』というのをはじめています。被災地へ出発する関東と関西のポイントまで来てもらえれば、自己負担は往復の交通費4000円だけで、それを超える交通費はすべて団体で負担しますという活動です。今は、北は青森から南は佐賀まで、日本全国の学生が参加してきてくれています。

――実際に、船登さんが被災地に入ったのはいつ頃ですか

 ボランティア団体の協力をいただいて、学生ボランティアの第一陣が被災地に入ったのは4月2日なのですが、私自身は3月26日に石巻、気仙沼に一度入りました。

 阪神淡路大震災のときには、素人のボランティアが現地に入ってしまってかえって邪魔になったとか、現地の物資が逼迫したという話しをニュースで聞いていました。ところが実際に被災地に行ってみると、学生ボランティアのやることは沢山あると感じました。学生の力が必要なんだということを、実感しました。

いま、学生が被災地でできること 求められていること子供の遊び場をつくる学生

「チームの目標、達成したいこと」を話し合うことが大事

――現地に入る際に、重要だと思っていることは何ですか

 現地に入る前に、参加する学生同士でコミュニケーションをしっかりとっておくことですね。ボランティアの活動レポートを聞いてみると、コミュニケーションがうまくとれなくて、思ったよりも成果が出なかったこともあるのだと知りました。

 今は、事前研修を行い、各自自己紹介をしてもらってアイスブレイクをしています。「どういうつもりで参加したのか。自分はどういう人間なのか」ということをさらけだしてもらうことによって、派遣される20~30名のチームが被災地に行く前に仲良くなってもらうことを重視しています。

「チームとしての目標、達成したいこと」を話し合って、チームとしてその目標に向かって活動することが重要だと思っています。

 また、今回の震災は、長期的な支援が必要になってくると思いますので、支援から帰って来た学生には「実際やってみて何を感じたのか」を整理しレポートしてもらっています。同時に、「次は何をしたらいいと思ったか。行く前とどのように考えが変わったか。」などをテーマにして、リフレクション会という名の反省会を行うことも大事にしています。