専門書は
出版社の目録を見ることから

―― 法律書や資格書のご担当のときは随分、売上げを伸ばされたそうですね。どんなことをされたんですか?

上坂 大したことないんですけど、法律書を買われるお客さんって何かの資格試験を受けられる方が多いんです。そこで、自分でどういう種類の試験あって、願書がいつまでで、試験日がいつかを一覧で見れるように書き出しました。それを見ながら、次はこういう試験があるからこういう本を並べようっていうことをやっていました。

 あと当時よく先輩に言われたのは、出版社から出ている目録をよく見なさい、ということです。目録を見ていると、本の並べ方の順番がわかってくるんです。どういう大きなジャンルがあって、その中でさらにどういうジャンルがあるかっていうジャンルの構成がわかってくるので、それを参考にしながら棚をつくるようにしてきました。

 それに、あとは出版社の営業の方から教えていただくことも多かったです。

―― POPもよく作られていたと伺いましたが?

上坂 お客様から「どういう本が売れていますか」と聞かれることが多かったんです。ですから、いま売れている順位を張り出すようにしました。「お勧めどれですか」とか。お客さんって意外と迷っていらっしゃるんだなって思ったんです。そこで、「これが先週一番売れました」みたいなポップをつくったりしました。

 でも自分ひとりで考えたわけではないんですよね。みんなのアイデアですから。仮に自分で考えたことでも、それを後押ししてくれる人が必要ですし。

――伺っていると、周囲の人に助けられたという話が多いですね。でもご自身の努力も相当だったんじゃないですか。

上坂 そんなことないんです。こうして曲がりなりにも仕事を続けられるのは、上司や先輩など人に恵まれたからです。いろんな方がいて「俺の背中を見て覚えろ」という人からは専門書のイロハを学びました。それに仲間の大切さや出版社さんとのつながりの大切さを教えてくれた人もいます。

 さらに、担当者としての責任の重さに悩んだときは、それが仕事の面白さにつながるって教えてくれた人もいました。だから、こういう人がいたから私もここまで来られたんです。

 だから私も少しでも人のために働けたらなって思っています。

*最初から最後までご自身の手柄にしない上坂さん。次回は、ビジネス書担当になってめぐり合った数々の本について語っていただきます。