
ここに何の変哲もない普通のオムライスがある。あなたならいくら払うだろうか?そんな問いに、「付加価値のつくり方次第でモノの値段や魅力は変えられる」と解くのが、ベストセラー編集者である柿内尚文氏だ。数々のヒット作を生み出したコンテンツマーケターでもある柿内氏が、商品に価値を生み出す技術を解説する。※本稿は、柿内尚文『このオムライスに、付加価値をつけてください』(ポプラ社)の一部を抜粋・編集したものです。
このオムライスに
いくら払いますか?
さて、見るからにおいしそうなオムライスがあります。

その写真を見せられて、こう質問をされました。
「このオムライスに、あなたならいくら払いますか?」
どうでしょうか?
おいしそうですが、見た目は何の変哲もないオムライスです。あなたはこのオムライスにいくら払いますか?
「800円くらい」
「1500円までなら払う」
たしかに、そのくらいが相場なのかもしれません。
でも、このオムライスに秘密があったらどうでしょうか。
実はこれ、誰もが知っている有名なスポーツ選手が、子どものころから試合前に必ず食べていた勝負オムライス。
今回だけ特別に、その選手のお母さんがオムライスをつくってくれたんです。
そのことを知った上で、もう一度こう聞かれたらどうでしょう。
「このオムライスに、いくら払いますか?」
「それなら食べてみたいから3000円まで払います」
「その選手の大ファンなので、10万円払ってでも食べたいです!」
オムライスに付加価値が生まれました。
何の変哲もないオムライスは、言ってみれば普通のオムライス。
でも、このオムライスは、特別な付加価値のあるオムライスです。付加価値に値段がついたのです。
付加価値をつくる技術である
「再定義化」「当てはめ法」
付加価値は、相手や状況などによってもさまざまに変化します。
オムライスに付加価値をつけることは、他にもいろいろ可能です。
「付加価値をつくる技術」を活用して、いくつか考えてみました。
オムライスにケチャップで文字や絵を描くことってありますよね。これを活用します。
たとえば、「復興支援オムライス」として、お店で出すオムライスにケチャップで応援メッセージを書いてもらいます。それをSNSにアップしてくれれば、オムライスの代金から100円を復興支援に寄付する。