日本の有名な広告代理店・アサツーディ・ケイ(ADK)と中国国営通信社の新華通信社が作った合弁企業・東方三盟(DSPR)は、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなど無数に存在する中国メディアに対して、クライアント企業の宣伝を行なう会社だ。中国における企業宣伝ビジネスは、どんな状況なのか。東方三盟のようなPR会社に勝機はあるのか。同社の副総経理に、広告・PRビジネスの裏側を聞いた。

――東方三盟の事業内容を教えてください。

北京東方三盟公共関係策画有限公司 上海分公司の清時 僚・副総経理。企業が中国メディアへ「売り込み」を行なう際のサポートを手がける。中国メディアの記者には、日本とは違うアプローチが必要と説く。

 東方三盟(DSPR)は、アサツーディ・ケイ(ADK)と中国国営通信社である新華通信社の合弁企業で、1998年より中国で日系企業を対象にしたPR活動のサポートを行なっています。

――中国には、どのようなPR向けメディアがありますか。

 中国は、日本と比べてメディアの数が多いのが特徴です。テレビは約3000チャネル、新聞は約2000紙、雑誌も約1万誌ほどあります。また、ウェブの影響力が強いことも特徴の1つです。中国のウェブユーザーは5.5億人いると言われており、主要ポータルサイトから専門ウェブサイト、動画サイト、BBS、ブログ、ミニブログまで、多岐にわたるメディアが無数に存在しています。

――中国で企業が広告ではなくPRを利用するのは、どういう場合ですか。

 中国のテレビ、新聞、雑誌などのマスメディアで「ニュース」として報道されるPRのメリットには、(1)広告と比べると低コストでマスメディアに製品・サービスを紹介してもらうことができること、また(2)広告ではなくニュースという形で紹介されるため、一般消費者にとって情報の信頼性が高いことが挙げられます。

 そのため、中国で市場を開拓したい企業の多くは、費用対効果と信頼性が高いPRを積極的に利用しています。