「あえて捨てる」5つのポイント

 あえて捨てるポイントは、基本的に「時間や労力をかけても得点がほとんど見込めないところ」です。具体的には、次の5つが挙げられます。

(1)自分には難しすぎる、習得に時間がかかりすぎるところ

 内容が複雑で、理解には多大な時間が必要か、そもそも無理だと思われる箇所です。

(2)配点が低い科目・分野

 たとえば50問中1~2問しか出題されない科目は、思い切って捨てるのも手です。

(3)めったに出題されない分野

 目安は、直近10回の試験でまったく出題されていないところです。100パーセント出ないとは言い切れませんが、10回分の過去問に載っていなければ、勉強する必要はないでしょう。

(4)ほかの受験者も解けないだろうと思われる分野・問題

 なかには、マニアックな分野やきわめて細かい規定などもありますが、そのような問題は、私の経験上まず間違いなく出題されません。仮に出題されても、ほかの人も解けないためそこで差がつくことはないので、解けなくてもいいのです。

(5)直近の回の試験で出題されたばかりのところ

 多くの試験では同じような問題が繰り返し出る傾向があるとはいえ、さすがに2回連続で同じところから出る可能性は比較的低めです。そのため、直近の回の試験で出題されたばかりのところは勉強の優先順位を落とすというのも一つの手です。

 ただ、注意が必要なのは、10回のうち3~4回は出題されているような問題です。このような問題は、直近の回で出されていても、また次の回も出される可能性が高いので、しっかりおさえておくようにしましょう。

 また、明らかにその年固有の問題などは、次の試験で出題されることはまずありません。たとえば、2016年に、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンが争ったアメリカ大統領選に絡めた時事問題が出されたとしたら、翌年には出ません。

勉強で最も大事なのは「やらないこと」を決めること