新刊『効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法』は、東大を独学で現役合格し、年間50以上、累計500超の資格を取得してわかった超合理的な方法を網羅しています。「時間をかけずに短期集中で勉強し、しっかり結果を出せる」――それが、「7日間勉強法」。どんな勉強にも応用できる、この短期集中のサイクルを一部抜粋して紹介していきます。
やると決まれば、直前でもやる
何を準備し、どう攻略するかという「戦略」について考えていきましょう。
突然ですが、みなさんは、家の「引っ越し」を経験されたことはありますか。数多くの試験を経験してきて、試験攻略はこの引っ越しによく似ていると私は考えます。
短期間で資格試験に合格するための勉強を引っ越しと同じだと考えると、やるべきことがはっきりしてきます。
◆明確なタイムリミットがある
試験も引っ越しの期日も、明確に「何月何日」と決まっています。その日までに、何としてでも準備を終えておかなくてはなりません。ただ単に「英語を身につけたい」というような漠然とした勉強とは違い、タイムリミットに合わせた戦略を立てる必要があります。
◆やると決まれば、直前でもやる
試験も引っ越しも、そのための準備は面倒です。とはいえ、やると決まれば、何だかんだ言ってもやるものですし、直前1週間くらいでもやれてしまうものです。
直前1週間というのは、まさにこの「7日間勉強法」の準備期間でもあるのですが、ギリギリになればなるほど、「追い上げる力」は増していきます。「火事場の馬鹿力」という言葉があるように、人はせっぱつまった状況に置かれると、自分が思っている以上の力を発揮できます。それを最大限に利用するのです。
◆捨てるべきものは捨てたほうが効率的
引っ越しの際、今ある荷物を全部持っていこうとして大変な思いをしたことがある人もいると思います。私も、以前、引っ越しの2日前になって「さすがに全部は持っていけないな」と、慌ててモノを大量に処分した経験があります。
荷物のなかには、よく考えるといらないもの、捨ててもいいものがあります。量が減れば、引っ越し作業もラクになり、効率的です。勉強もそれと同じで、何でもかんでも詰め込むのではなく、本当にやるべきことだけを頭に詰め、やらなくてもいいことは思い切って捨てたほうが、いい結果を生むのです。
◆順番が大切である
何を詰めるかがハッキリしたところで、次に重要なのは荷造りの「順番」です。歯ブラシなど毎日使う日用品や、前日まで使うものを先に梱包してしまったら、あとで困りますよね。
勉強でも、先に詰めておいたほうがいいもの、ギリギリに詰めたほうがいいものの順番を意識するべきです。私の勉強法では、大事なものほど後回しにして直前に詰め込みます。この順番を間違えないようにすることが大事です。
◆普段の生活と並行して準備
引っ越しが決まったからといって、引っ越し作業だけやっているわけにはいきません。試験勉強でも同様で、勉強だけにすべての時間を割くことはなかなかできないでしょう。学生ならまだしも、社会人の場合は、仕事や家事をしながら勉強のための時間をつくらなくてはなりません。勉強時間をいかに捻出するか、そのための工夫が必要になってきます。
このように、「引っ越し」にたとえると、試験勉強の攻略の糸口が少し見えてきたのではないでしょうか。
このなかで最も着目すべきは、「やると決まれば、直前でもやる」ことです。
引っ越しも試験勉強も、「ラストスパート」がポイントなのです。
「直前に追い込む『一夜漬け』の勉強はいけない」と思っている人が多いかもしれませんが、実はこの「追い込み型」のほうが効果を発揮するのです。
最後に詰め込んだ大事なものをきちんと本番で出しきれるような準備が必要なのです。