私は「ワークライフバランス」ではなくて、「ワークライフシナジー」こそ私たちが目指す方向だと考えます。ワークライフシナジー。すなわち、仕事とプライベートの相乗効果。仕事とプライベートの切り替えの無駄を小さくする。プライベートの時間で得たインプットを、オフィスでアウトプットしやすくする。ワークとライフの相乗効果をいかに主体的に考え、いかに主体的に出していくか? ここに答えがあるような気がしてなりません。
そのためには、まず自分たちの仕事を見える化し、何が無駄で何が無駄でないかをチームで話し合い、個人の疑問や不満をチームの問題に昇華する。チームで解決する。観察する。測定する。どんなやり方が個人として、チームとして生産性があがるかを議論する。
個人だけが騒いでいてもダメ、組織で強制しようとしてもダメ。「個人かつチーム」の取り組みが欠かせないのです。そして、その取り組みはすでに日本企業の現場でも産声をあげています。
個人志向が強いとされる海外企業、集団志向が強いといわれる日本企業。見方を変えれば、チームの生産性をあげるための土壌はすでに日本企業には備わっています。むしろアドバンテージとも言えるでしょう。
「ワークライフバランス」に踊らされない、チームの生産性向上。そのトライ&エラーが、一つでも多くの日本の現場で起こることを願って止みません。では、具体的にどうやってチームで生産性をあげればいいのでしょうか? その方法を、新刊『チームの生産性をあげる。』で詳しくまとめました。
生産性の高い働き方をするためには、残業規制や業務の効率化・高速化だけでは不十分です。「時短」ばかり意識すると、逆に業務量は増え、労働時間は増えていきます。生産性をあげるには、あなたが何気なくやっている仕事の進め方、チームでの取り組み方を根本から変えるプロセス改善が必要です。
本書は、大企業から中小企業、町工場まで、現場に即した68の改善策に整理し、仕事の進め方を変えて、アウトプットを最大化する手法を、図解を多用しながらわかりやすく解説しています。
・長時間労働が常態化していて、早く帰れない、休めない
・仕事が属人化していて、処理できない量を抱えている
・定常業務に時間を奪われ、付加価値業務に注力できない
・突発的なミス・トラブルが起きると、予定がすべて狂う
・時間を取られるムダな会議、慣習、手順を変えたい!
・上からの指示が曖昧。手戻り連発で非効率!
・横入り、肩代わりで、マネージャーが日に日に消耗
こんな悩みを抱える方々には役立つはずです。また、自身も部下も長時間労働が常態化しており、成果を出しつつ働き方を改善したいと思っている、課長、部長、チームリーダー、プレイングマネージャーなどの実務担当者から、働き方改革・社員満足度向上、風土改革などを推進する経営企画部門、人事部門、広報部門、総務部門などの担当者まで、どんな業種、どんな職場でも使える、「働き方改革」実践書の決定版となる1冊です。
(この原稿は書籍『チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)