生産性向上には「減らす」と「増やす」が必要

 企業で取り組んでいる働き方改革や業務改善は、どうも「減らす」一辺倒に偏りすぎているきらいがあります。

・作業時間を減らす
・会議時間を減らす
・残業時間を減らす

 もちろんそれも大事ですが、同時に新たな問題を抱えることになります。

・ コミュニケーションがなくなり、雰囲気がギスギスしてきた
・ 仕事を終えた後の振り返りをしなくなり、学びが減った
・ 常に時間に追われていて、言いたいことも言えなくなった
・「やらされ感」が増した
・ 仕事が雑になって、手戻りやクレームが増えた

 チーム内でのコミュニケーションの時間。学びあう時間。チームの外の情報を吸収する場や機会。これらは長い目で見れば、生産性をあげ、生産性を高い状態で維持し続けるための投資です。少ないインプット(場合によってはたくさんのインプット)あるいは質の高いインプットで、より多くの(またはより良い)アウトプットを出すためには、コミュニケーションの時間の確保、場作り、仕掛け作りは欠かせません。

「働き方改革」ムードが蔓延するなか、私たちはどうしても減らすことばかりに意識が向きがちです。しかし、減らすだけでは生産性はあがらない。ここにも大きな落とし穴があります。

  目指すは、ネガティブな仕事を減らして、ポジティブな仕事を増やす。いま私たちに必要なのは、増やす勇気かもしれません。