生産性とは何か?

 そもそも生産性とは何でしょうか? 生産性を向上させるとはどういう状態を言うのでしょうか? 生産性とは、投入したインプット(資源)に対して得られるアウトプット(成果物)の量の比率を言います。一般的に、下の式で示されます。

なぜ仕事が終わらないのか?生産性をあげる究極のコツ

 より少ないインプットでより多くのアウトプットを出すことができれば、生産性が高く、そうでなければ低いことになります。なるべく少ない原材料、情報量、あるいは時間やコストで、より多くの成果を出し続けられる状態を作る。これが理想です。

 実はここにも、大きな罠があります。

 いきなりベストを目指そうとする。すなわち、いきなり少ないインプットで、多くのアウトプットを出そうと試みてしまう。これがかえって非効率を生み、生産性を下げるケースが多々あります。

 ある程度こなれた業務であれば、可能な限り投入資源を減らす努力をする。これは至極もっともです。ところが、まったく新規の業務や、こなれていない業務でいきなり最小のインプットを目指すのはいかがなものでしょう?

 たとえば、あなたが新たにハンバーガーショップを始めるとします。チラシを配って、自分のお店のことを知ってもらいたい、来店してハンバーガーを食べてもらいたい。来てくれそうな50人に当たりをつけてチラシを配り、50人が来てくれればベストでしょう。

 しかし、最初はなかなかうまくいかない。まずは300人に配ってみて、どういう人がチラシを受け取ってくれるか? どの曜日や時間帯なら受け取ってもらいやすいか? 配る場所に問題はないか? そんなことを実地で学び、スタッフと一緒に振り返りながらベストな状態を目指していく。次は100人に配れば済むようにする。いわば、徐々にこなれさせていくプロセスも大事。一足飛びでやろうとしても、うまくいかないものです。

 また、商品企画などクリエイティブな業務においては、まずはとにかく多くの情報やネタ(これらがインプット)を仕入れ、そこからなるべくたくさんのアイデア(企画案)を考え、より良い企画を実現できるようにする。これも大事です。

 1の情報から、1の企画案を生み出し、その1の企画が通るに越したことはありませんが、それはあくまで理想。モノによっては、情報やアイデアの豊富さがいい企画を生み出す鍵。少ないインプットから、多くのアウトプットを出せる状態を目指すことが正解とは言いきれないのです。