どれくらいの「大逆転」だったのか ~体格差
なでしこジャパンは2011年7月18日(現地は17日)、ワールドカップ優勝という歴史的快挙を成し遂げました。特に決勝での大逆転勝利は、いみじくも試合後に川澄選手が「こんな勝ち方、マンガか映画でしかあり得ない」と言ったほど劇的なものでした。
その勝利をひたすら賞賛するのも良いでしょう。でも折角なので「発想」という観点から見てみたいと思います。
企業事例分析風に言えば「大逆転の成功メカニズム分析」でしょうか。
こういうときまず冷静に見つめなくてはいけないのは、「それは本当に成功か」「どの程度の成功か」ということです。サッカーの素人である私には、そもそも今回はここで、大きな発見がありました。それは、日本と強豪国との間に
・プレーヤーの大きな体格差がある
・女子サッカーの規模や支援態勢に大きな差がある
ということであり、その中での、とても大きな成功、大逆転であったということです。
女子サッカーの強豪国は、男子と違って米国、カナダ、スウェーデンなどがFIFAランキングの上位を占め、ラテン系のスペインは18位(男子1位)、イタリアは11位(同10位)に過ぎません(2011年7月26日現在)。
日本チームの平均身長は163cm程度で、米国チームとは平均で6cm、10kg以上の体格差がありました。スウェーデンチームとは10cm以上の差です。米国チームの主力であるFWアビー・ワンバック選手は181cm、77kgでしたが、それをカバーしたDF近賀ゆかり選手は161cm、53kg、なのです。20cm、24kgの差です。
男子ではもうこんな体格差は存在しません。日本代表チームの平均身長は179cmに達し、スペインとは2cm差に過ぎません。