――岡崎さんは、そもそもどういったジャンルの本が好きで書店さんに就職されたんですか?

岡崎 実は私、大学では歴史学科だったんですよ。なので、会計とかまったくわからなくて。

――ということは……、人文書?

岡崎 そうですね。あとは絵本も好きだったので、この二つのジャンルを希望していました。今じゃ「ええっ!?」て言われそうですけど(笑)。

――いきなり会計書担当って言われたときはどうでした?

岡崎 全然わからなかったですけど、でも「やろう」って思えました。

――まったくわからないのに、やろうと思えたんですか?

岡崎 はい。雰囲気がよかったんですよ、最初に配属された神保町本店3階のビジネス書売り場の雰囲気が。チームワークが抜群でした。

 土地柄、お問い合わせがとても多いんです。特に3階は、近くに監査法人があることもあって問い合わせが多い。にもかかわらず、どんなに忙しい状況でもお互いに補い合ってやっていました。だから、当時一緒に働いていた人たちとは今も仲がいいですね。

 あとは、「社会人になったから」と言って、日本経済新聞を読むようになるじゃないですか。そうすると、「日経新聞に載っていることが、ビジネス書売り場にはいっぱいある!」と思って、働いていて、とても楽しかったんです。

――すごいですね。専門書という、人によっては少しとっつきにくいと感じるようなジャンルへの配属を乗り切れたのは、チームワークと、新聞などで見聞きする世界が「本」として職場にあるという楽しさがあったからですか?

岡崎 そうです。でも、「乗り切った」というよりも「楽しかった」です、ホントに。楽しく、いろいろなことを教えていただけたので。