実は、全国8万社の神社を管理・指導する神社界の“中枢”であり“総元締め”でもある「神社本庁」、そしてその地方機関である神社庁は、「神道政治連盟(神政連)」という政治団体と関係が深い。

 神政連は、「神道精神を国政の基礎に」を合言葉に、神社界を母体として1969年に設立された政治団体。本部は神社本庁内にあり、役職員には神社本庁の評議員らが名を連ねていることから見ても、神社本庁や神社庁と神政連は“一心同体”の組織。そこで、以下では神政連の動きを通し、神社界と政治の“距離”について見ていこう。

安倍政権の応援団でも
集票力は皆無の神政連

 神政連は、自民党、引いては安倍政権との関係の深さが、かねてから指摘されている。

 神政連の活動を支持する議員連盟として「神道政治連盟国会議員懇話会」という組織があるが、2017年6月20日時点で、自民党を中心に衆議院議員228人、参議院議員81人の合計309人の国会議員が所属している。

 しかも、第三次安倍政権の現閣僚20人の内、公明党出身の石井啓一国土交通大臣を除いた19人全員が懇談会のメンバー(下図参照)。その懇談会の会長は、安倍晋三首相が務めているからだ。

 そんな安倍首相の悲願は憲法改正。思いを同じくする神政連も、日本最大の保守組織「日本会議」とともに政権を支える保守勢力として影響力を発揮するチャンス。そこで神政連が神社庁に働きかけ、署名活動という“行動”に出たというわけだ。

 こうした動きを捉えて、「すわ、国家神道の復活か」などと危ぶむ声も一部で上がるが、そこまではいかなくても、神社界と安倍政権との距離の近さに、どこか不気味さを感じる方も少なくないだろう。

 ところが、である。「今や神政連は、政治に対してたいした影響力があるわけではない」と神社本庁関係者は口を揃える。

 事実、今回の署名活動も、日本会議から指示されるがままで、それに従っただけ。以前は神政連の方が勢力を誇っていたにもかかわらずだ。