2つの例を挙げてみましょう。

 例1「高卒までの経験ではさまざまな職業を知る機会が少ないというのは、本当とは限らないのではないか?高卒までの間にたくさんの職業を知ることで、職業の選択肢を広げながら、社会経験を多く積むことはできないだろうか?」

 例2「学歴を積めば積むほど社会に出るのが遅くなるというのは、本当とは限らないのではないか?学生でありながら社会経験を積むことで、職業の選択肢を広げながら、社会経験を多く積むことはできないだろうか?」

 あえて「逆の考え方」を問いかけることによって、2つの要望を両立できる解決策を見つけていくのです。

 この2つ目の方法を進めるときの手順を整理すると、(1)「なぜだろう?」という問いの答えを考えてもらう。(2)言ったばかりの答えに対して「本当とは限らないのではないか?」「別の見方もあるのではないか?」と問いかける。あえて正反対の見方から考えてみることを、この問いかけが強制しているのです。

 これが、創造的なアイディアを引きだす訓練のレシピです。子どもと一緒に活用して問題解決ゲームとして楽しむこともできますし、大人が自分自身のために活用することもできます。

(毎週火曜日・金曜日に公開予定)