「1980年代から90年代にかけての国産車は、オリジナリティとチャレンジ精神にあふれていました。そんな“いい時代”を体験してきた中年男性が客層の中心です。かつてのクルマが持っていた力強い走りをもう一度楽しみたい、若い頃に憧れたあのクルマに乗ってみたい、子どもをスポーツカーに乗せてやりたいなど、目的はさまざま。リピーターのお客様も多いですよ」(齊藤氏、以下同)

 利用は6時間から。価格は車種によって異なり、「スカイラインR34型GT−R」は1万3170円、「スプリンタートレノ AE86」は7200円。この価格で、定価数百万の車を自由に乗り回せるのは、クルマ好きにとっては大きな魅力だ。

「昔はブイブイいわせていたという元“走り屋”系のお客さまもいらっしゃいます。もちろん、今ではすっかり優しいオジサマですが(笑)」(同)

イマドキの若者にとって
クルマは買うのではなく借りるもの

サイトには国産車・輸入車問わず数多くのスポーツカーが並ぶ 拡大画像表示

 齊藤氏自身、幼い頃からクルマが大好きで、大学時代は体育会自動車部に所属し、レースのドライバーとエンジンの改造を担当していたという“好車家”だ。大学卒業後、好きが高じて始めた輸入中古車の販売業では月に50台近くを売り上げていたという。

「当時、輸入中古車を購入するお客様は、ギリギリのローンを組んで、毎月の生活を切り詰めてなんとか購入するという方がほとんどでした。まさに命を賭けてクルマを買っていたんです。そんな話を聞いているうちに、そこまでしてクルマを買う意味はあるのか、と疑問を抱き始めました」(同)

 クルマは決して安い買い物ではない。多くの人にとって、人生で所有できるクルマは数台しかないだろう。「好きなクルマに、もっと自由に乗れた方が楽しいはず」。そんな思いから、2012年、一風変わったレンタカー事業に乗り出したという。

 最近は“若者のクルマ離れ”が叫ばれて久しいが、その一方では、「自動車レンタル業(個人向け)」ビジネスは好調だ。