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だが、その朝そこにあったのはひとつのレンズで顔が隠れてしまうような、驚くほど大きさのサングラスだったんだ。しかもレンズが曇っているのかさっぱり見えない。

 実は、書籍編集部に異動した当初から、比較的専門的な分野の書籍も取り扱ってみたいと考えておりました。東京電力の問題にこれからのトピックが隠れてないかなと思い巡らせているのですが、まだまだ試行錯誤中。とにかく幅広い分野の方から話を聞きながら、そう遠くないうちにこれからのテーマを見つけたいものです。

 アカデミックな世界と接するようになった最近、今は著名な学者であっても、彼らが若手研究者だったときから注目し続けている編集者というのを非常に尊敬しています。それを決定的に感じたのはこの動画。先週末ネット上を賑わせた動画で、多くの方がご存知かと思いますがご紹介させてください。

 H23.7.27 衆院厚労委員会 児玉龍彦参考人 3.21の雨 (YouTube)

 東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦教授による発表です。この分野の専門知識を全く持ち合わせていないため、私には彼の主張が100%正しいという断定はできません。しかし、個人的には、「ただちに人体への影響はありません」という怪しい日本語よりも、理知的で熱意と正義感を兼ね備えている児玉先生の話を信じてみようという気持ちになります。

 土曜日にこの動画の存在を知り、さっそく児玉先生のプロフィールを検索してみたら、いくつか著作があることに驚きました。それも、医療専門書ではない著作が。2004年には『逆システム学』(岩波書店)が、そして昨年には『新興衰退国ニッポン』(講談社)といった書籍が出版されています。

 先ほどの動画を見れば、児玉先生が『新興衰退国ニッポン』というテーマを語るに適当な方だと感じますが、すでに2004年の段階で「児玉先生に医療に限らないテーマを語ってもらったら面白い」と考えていた編集者がいたということにビックリしてしまいました。そもそも、専門性の極めて高い医療の世界にまで目を向けていたことが衝撃です。