ビジネス文書にしても私的な書簡にしても、手紙文には伝統的に受け継がれてきた形式、ルールがある。
ルールがあるから簡単に書ける
ファックスやEメールがたくさんつかわれるようになって、ビジネス文書の世界も「なんでもアリ」になったようにも見えるが、ここぞというときには、やっぱり手紙文のルールが頼りにされている。
「手紙文のルールなんて、面倒くさいだけで、仕事をふやすだけ」と思っている人がいたら、それは違う。
手紙文のルール、特にビジネス文書のルールは、物事を効率よく、簡潔に、誰にも快く、確かに伝えるために考案されたマニュアルだと思ってほしい。自分で1から考えなくても、読みやすい流れで、読み手の気持ちもフォローした手紙が書ける。言いにくいことや説明が長くなることも、ひとことの慣例的な言い回しで片付いてしまう。これは、なかなかの発明品ではないか。
もちろんルールは時代とともに変化する。また、ケースバイケースで不必要な儀礼はどんどん省いてもかまわないのだが、とにかくベースになる手紙文の基本ルールは頭に入れておこう。それが頭に入っていれば、もっともっと自由に手紙が書けるようになるはずだ。
ビジネス文書の「組み立て」
日付の入れ方や宛名の書き方など、フォーマットについては次回で取り上げるとして、ここでは主にビジネス文書の中身の「組み立て」を解説しよう。
次ページでは、全部の要素を含んだ文を例として掲げて、ビジネス文書の「組み立て」を解説している。