“子どものため”と思って姑を利用したらええねん
カヨ子 赤ちゃんだってね、いつもお母さんばかりじゃなくて、たまにはおばあちゃんやおじいちゃん、いとこのお姉ちゃんとか、いろんな人から声をかけられたり、遊んでもらったりしたほうがいいんですよ。なんせ脳にはどんどん刺激を与えたほうがいいわけですから。
お母さんとおばあちゃんで抱き方が違ってもええの! 言うことだって違って全然平気。そのうち子どものほうが使い分けて、「これは、お母さんならダメって言うから、おばあちゃんに頼もう」とか自分で考えるようになります。相手に応じたコミュニケーションをとるというのは、脳科学的にもかなり高度なテクニック(機能)が必要なんです。
お嫁さんにとって姑はうっとうしいかもしれんけど、“子どものため”と思って姑を利用したらいいんです。そんなもん、たまに来るおばあちゃんに抱かれたって、抱きグセなんかつきません。いろんな接し方をする大人がいていいんです。
A なるほど。子どものため、と思えば我慢もできますしね。しかし、そういう妻に対して、僕はどう接すればいいんでしょうか。仕事も忙しく、せめて子どもを風呂には入れてやりたいと思うんですが、週末くらいしかできなくて…。それも慣れてないせいか、ひどく泣かれたり…。
妻のグチは、反論せず、ただ「フンフン」と聞いておけばよろしい
カヨ子 あのね、私は3歳くらいまでは、やっぱりいろんな細かいことに気のつくお母さんがメインで育児をすればいいと思うの。そして、ちょっと大きくなれば、ボール遊びや自転車の乗り方やとか、お父さんのほうが教えるのに適したことがあると思うんです。そりゃたまには休みの日に、「子ども見てるから、出かけてきていいよ」とか言って、奥さんを息抜きさせてあげたらええと思うけど。
まあ、奥さんに任せるということなら、口を出さんことです。自分が一生懸命やってる育児のことで、仕事にかまけて何もやらん夫になんか言われたら、当然、頭にきますよ。ダンナはね、妻のグチは反論せずに聞くだけ聞いてやる。男は本能的に“勝ちたい”という意識があるから、妻は「ただうなずいて聞いてくれさえすればいい」と思ってるようなことでも、「それは違うんじゃないか。君のほうが間違ってるでしょ」なんて言いがち。子育て中の妻に、これはダメです。「フンフン」って、ただ聞いておけばよろしい。
A そうなんですか。私はよかれと思って、つい反論していたかもしれません。それにしても、仕事は忙しいし、帰宅時間はがんばっても夜の9時すぎ。帰って、やっとわが子のかわいい顔を見ようと近づけば、「シーッ! 寝たばかりなんだから静かにしてっ!」と怒られる毎日で…。