モレスキンノートを旅ノートにするヒント
多くのモレスキンユーザーのケースを通して、旅ノートには2つの流れがあることがわかってきました。
① モレスキンノートに記録をしながら旅をするパターン
② 旅から戻って、ゆっくりモレスキンノートを作り込むパターン
①のパターンは、旅の予定が比較的自由で時間的にも余裕がある人に向いています。旅先のカフェに長居をして、街を流れていく人々の様子を観察しながらスケッチするのもいいですし、何かを思いつく度に足を止め、その言葉をノートに書き留めていくのもいいでしょう。
特に美術館を訪れた際には、「絵をメモ」してみて下さい。美術館訪問によくあることですが、「傑作を見た!」という達成感が勝ってしまい、その絵はどういう絵で、自分がそれを見て何を思ったか、というようなことは忘れてしまいがちです。「見た」という事実だけが思い出になってしまうと、家族や友だちにその時の様子を話そうとしても、何も思い出せないということになってしまいます。
そこで、絵もメモしてみるのです。メモしてみると、いつもより少しだけ深く絵を観賞することができ、記憶にもより鮮明に残ります。ちなみに、美術館では鉛筆を使用するのがマナーとなっています。万一、作品を汚してしまった場合でも、鉛筆なら修復することができるそうです。
②のパターンで旅をする場合は、旅先から何を持ち帰るかが鍵となります。モレスキンノートに最も容易に収められるものは、なんといっても「紙切れ」の類いですので、旅先で思い出として残しておけるような紙きれをいっぱい拾って帰りましょう。
航空券、ラゲージタグ、レシート、ホテルのカード、ショップカード、展覧会のチラシ、地図はもちろんのこと、お菓子の包み紙や切符、紙幣、紅葉し始めの葉っぱなども持ち帰ることができます。撮影した写真は普通紙に印刷して、好きなサイズに切って貼ると、気軽にコラージュを楽しむことができるでしょう。
旅先で紙切れを集めて回るのに役に立つのは、モレスキンノートにある拡張ポケットです。整理は帰宅後に考えればいいので、思いついたものはどんどん放り込んでいきましょう。
これは拡張ポケットに窓を作ったもの。気になった紙切れを何でも放り込む。
もちろん、①と②の両方を実践している人もいます。自分の旅のスタイルにあったノート作りを探してみて下さい。
モレスキンノートには、ぜひ言葉を持ち帰ってほしい
モレスキンノートは自由のノートです。旅ノートも自由に制作していただきたいと思います。ただ一点、私がどうしてもお薦めしたいのは、現地で考えたり、感じたことを「言葉」として持ち帰ることです。
その時感じた「何か」は、時間が経つと鮮度が落ち、余計な脚色がほどこされた言葉に変わってしまう恐れがあります。現地で、「何か」を感じた瞬間に書き留める言葉が重要です。後から読み返してみると、情熱的過ぎたり、逆に安易な感嘆符であったりして、格好よくはないかもしれません。しかし、ある特別な一瞬に書き留められたという事実が、旅先での自分の言葉を、真にかけがえのないものにしてくれます。
写真として持ち帰り、SNSを通して大切な人と共有することも旅行の楽しみですが、旅先から持ち帰った自分の心は、一生涯輝きつづけるはずです。
1982年福岡県生まれ。モレスキンにまつわる記事を毎日更新している日本一のモレスキンファンサイト「moleskinerie.jp」[モレスキナリー]の管理人。世界中のモレスキンユーザーのページの紹介、カスタマイズ方法、情報の活用方法、モレスキンに合う文房具、“手書き”や“記録”にまつわる文化記事まで幅広く掲載している。ロンドン在住。
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