資産運用で大切な6つのこと

 私たちは、自分の資産をファンドで運用する際、いくつかの選択を迫られます。それは、長期の目標をどう設定し、どのようなアセットミックスを構築するのか。株式の組入比率をどうするのか。パッシブかアクティブか。どの運用会社にするのか。そしてどのファンドを選ぶのか、というものです。

 あるいは、こうした選択を行っていくなかで、投資家自身の責任に基づいて、必ず守らなければならないポイントがあります。

 それは、第一に自分自身を知ること。投資のスキルを把握するとともに、不透明さにどれだけ耐えられるのかということを把握しておかなければなりません。

 第二に、投資目標を明確に定めること。

 第三に、戦略的ポートフォリオを設計すること。これについては、10年スパン、あるいは30年スパンという長期の運用に耐えられるポートフォリオを設計するということです。

 第四は、選択すること。特に運用会社の選択に際しては、データに注意すること。データというものは、いくらでも自分たちに都合の良いように作り直すことができます。あるいは、あまり多くの運用会社と付き合うというのも、賢明な選択ではありません。

著作『敗者のゲーム』の内容をベースに、50年間の市場の変化などを交えて講演

 第五は、みだりに方針を変えないこと。これはとても大事です。目先、マーケットが揺らいでいるからといって、いちいちポートフォリオを入れ替えたり、あるいはポジションを清算したりしたとしても、それらが常に正しい判断だとは限りません。逆に間違った判断を積み重ねてしまい、傷口を広げてしまう恐れすらあります。

 第六は、自らを認め、自分に合った投資を行うことです。マーケットにおいて、すべての投資家は平等ですが、皆、一様ではありません。残された時間、資産保有状況、収入の多寡、家族構成など、それぞれ皆、異なります。このように、自分が今置かれている状況をきちっと把握して、自分に合った資産運用をすることが大切なのです。

投資信託を作って運用する
「運用会社」を選ぶ7つの条件


先に述べた6つのポイントのなかでは、運用会社の選択に興味を持つ方も多いと思います。

 これについては、優秀な運用会社の条件をここに挙げておきます。それは、

  1. ① 商売よりも職務に忠実
  2. ② 長期的な視野を持っている
  3. ③ 自立的な思考がある
  4. ④ 健康的な環境の会社である
  5. ⑤ 人の選択と教育を行っている
  6. ⑥ 組織とコミュニケーションが良好
  7. ⑦ 給与体系

ちなみに給与体系については、運用会社としての専門性を奨励するようなものであるかどうかという点が問われます。

 こうした7つのポイントを兼ね備えている運用会社が、本当の意味で優秀な運用会社ということになります。