自分で勝手に結論を出すな!
失敗しないほうが恥である
大塚:いまの30代の若い方を見ていて、地頭はよくて、ロジカルなことは比較的考えられるけれども、トライ・アンド・エラーで試してみるというところにいかないように思います。
桑野:ほかの業界の人を見ていて、それはすごく感じますね。議論はしても何もしないことが多い。だったら、ちょこっと議論してやってみて、その結果をもとにまた議論したほうが、本当にいいのになと思います。
大塚:やはり一歩踏み出せないというのは、失敗が怖いのでしょうか。
桑野:うん。失敗が怖いんでしょうね。失敗すると恥ずかしいとか。恥ずかしくなんてないのに、って思いますよね。「失敗を恐れるな、失敗しないほうが恥だ」って思います。
大塚:そう思えるかどうかが、30代の分かれ道だと思うんですよね。失敗したら検証することが大切。また、うまくいかなくても、失敗を検証してずっとやり続ければうまくいくことも多いですよね。なのに、ほとんどの人は途中で諦めてしまったり、もっと悪いケースだと、勝手に推測してしまうんですね。自分のイメージで先を読んでしまって、こんなやり方したってダメだよとか、意味がないよとか、これって前やったけどダメだったよねと自分で勝手に結論を出してしまいます。
桑野:「それ前にやったけれどダメだった」と言う人は多いですよね。そのときたまたまダメだったのかもしれないし、仮にダメだったとしても、何がダメだったのかを明確にするべきだと思います。
大塚:保守化しているんですかね。みんなパターンどおりで、マニュアルというか正解が出ないと気が済まないような感じになっていますね。少しでも変な答えとか、自分の予測していたのと違うことが出てきてしまうと、次に行けずに止まってしまうように思えますね。
桑野:みんな、リスクを冒さないんですよね。たとえば、大手企業でずっと働き続けることって、実はいま一番リスクが高いと思うんですよ。でも、大手企業の人ほどリスクを取ろうとしない。でもリスクを冒してでも、人生はチャレンジしたほうがいいと思います。そうしないと、最終的にはリスクに振り回されて、自分ではどうしようもできなくなってしまう。
大塚:ええ。そう思います。企業としても積極的にリスクを取るべきだし、ビジネスパーソンとしてもそうだと思うんですよ。それから、転職も起業も、最近減っているんですよね。起業の数というのは、リーマンショックまでも決して多くはなかったですけど、いまは開業率よりもクローズしちゃう方が多くなっているような状況ですね。