注意やアドバイスを
「マウンティング」と感じる部下の感受性

 アドバイスというのは、経験や知識のある側から、それが乏しい側への働きかけである。まだ仕事に慣れておらずコツをつかめていない者に対して、仕事を上手くこなすコツを教えるわけだから、どうしても「上から目線」にならざるを得ない。

 だが、そうした「上下の構図」に過敏に反応し、反発する若手が多くなっている。アドバイスをもらえば助かるはずなのだが、「上からものを言われた」ということに反発するのだ。

 そこで、先ほどのBさんに言い分を聞いてみた。

「自分のやり方が未熟だっていうことはわかるんです。でも、自分のやり方を否定されると、やっぱりイラッときちゃうんですよ。そりゃ、A課長の言うことが正しいのはわかるけど、長くやってるんだから上手くできて当然じゃないですか。こっちはまだ経験が浅いんだから、そんなに得意げに注意しないでほしいと思って、つい反発しちゃうんです」

 Bさんはちょっとバツが悪そうに答える。自分のやり方を否定されたと感じているBさんは、A課長のアドバイスに感謝するよりも、むしろ反発する気持ちの方が強くなっているのだ。A課長はBさんを否定したつもりはなく、親切で教えてあげたわけだ。だが、Bさんにしてみれば、アドバイスをしてもらったというよりも、注意された気分になっている。

 このように、部下の側から見ると、アドバイスの場面において、上司とはまったく違ったとらえ方をしていることがわかる。逆にアドバイスをする上司の側は、部下に気づきを与え、もっと効率よく仕事ができるように、つまり部下の仕事力を高めるためにアドバイスをしたつもりでいるのだ。

 ところが、アドバイスを受ける部下の側は、自分のやり方を否定され、「お前なんかにはわからないだろうから、教えてやる」というように、上司の優位を誇示した「上から目線」、つまり「マウンティング」を受けたように感じた。だからイラッと来るのである。

 私たちが実施した意識調査でも、「年長者からアドバイスされて、鬱陶しいと思うことがある」と回答した者が、20代では3割近くにもなる。

 アドバイスでさえ反発されるのである。ましてや注意したり説教したりすれば、反発されるどころか逆ギレされる可能性は非常に高い。

 その証拠に、私たちが実施した意識調査において、「他人に批判されると、それが当たっていてもいなくても無性に腹が立つ」と回答した者が、20代ではなんと45%もいたのである。若手部下のほぼ半数が、注意されると逆ギレ気味になったり、内心反発してふて腐れたりする可能性があるわけだ。