スポーツファンなら知っているはずだが、箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟(関東学連)が主催し、同連盟に加盟している関東地区の大学しか参加できない「地方大会」だった。

 だが第100回大会を迎える2024年を機に、他の地区の大学にも門戸を開放。タイムなど一定の基準を満たせば、前年秋に行われる予選会への出場を認め、その成績によって箱根駅伝に出られるようにするという規則改正が検討されているのだ。

出雲駅伝と全日本でも
関東勢が上位を独占

 大学駅伝には「三大駅伝」と呼ばれる大会がある。10月(体育の日)に島根県の出雲大社をスタート地点にして行われる出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)と、愛知県の熱田神宮から三重県の伊勢神宮までを走る全日本大学駅伝対校選手権(全日本)、そして箱根駅伝だ。

 出雲駅伝と全日本を主催するのは、日本の学生陸上競技を統括する日本学生陸上競技連盟(日本学連)で、れっきとした全国大会。だが、出雲は1989年の大会開始以来、今年の29回大会まで、すべて関東の大学が優勝している。

 全日本は1970年に始まり今年で49回を数えたが、1987年の第18回大会から32年間、関東の大学が制した。どちらの駅伝も、この10年ほどは上位を関東の大学が独占し、他の地区の大学は10位以内に入るのも難しい状態が続いている。

 日本学連の下部組織である関東学連が主催する「地方大会」の箱根駅伝を目標とする関東の大学が、「全国大会」の出雲駅伝と全日本で圧倒的強さを見せるというヘンテコな状況にあるのだ。

 こうした構図が生まれるのは高校時代、優秀な成績を収めたランナーが「箱根駅伝を走れる」関東の大学に集中するからに他ならない。

 箱根駅伝は1920年に始まり、来年1月の大会で第94回を数える。この積み重ねの中で多くの名勝負が演じられ、名ランナーが生まれた。長距離ランナーを目指す若者には、この伝統の一員になりたいという意識があるわけだ。