ベンチャー企業こそ
世界を変えられる

 「ベンチャー企業が世界を変える」と聞いて、半信半疑になる人(もしくはまったくく信じない人)は少なくないかもしれない。しかし、私はベンチャーこそが世界を変えていくと今でも強く確信している。理由はいくつかあるが、そのうちの1つに大企業に起こりがちな「慣性の法則」がある。

 大企業は成功しているゆえに、その成功を再生産するのに最適化した制度・人員をそろえる。過去の成功に最適化しているため、時代の変わり目に身動きが鈍くなることが往々にしてあるのだ。ベンチャーが勝てるのは、時代の変わり目に賭け、時間、労力、おカネの大部分を費やしているからにほかならない(図4)。

「友人と起業」が失敗する理由図4 破壊的なイノベーションの出現と進化
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 「慣性の法則」で動けない大企業に対し、小回りが効くベンチャーは新しい流れに身を投じることができる。大事なのは他社の二番煎じにならないことだ。これでは人も集まらないし、大企業を追い抜かす前に買収されてしまう。

 「ロマン」で人を説得するうえで大事なポイントがもう1つある。創業者は、いつになっても「人として学び続ける姿勢」を忘れてはいけないということだ。「上から目線」で人から学ぼうとしない姿勢や、逆に自信のなさそうな態度では人はついてこない。謙虚さと自信を併せ持ちながら、常に学び続ける姿勢が重要でなる。