就活における最大の都市伝説の裏側
やはり大きい「学歴による出世度の違い」
連載第2回は、こちらもまた就職活動やビジネスの場において頻繁に話題になる「出身大学と出世度」の関係、いわゆる「学閥」について掘り下げてみたい。
広辞苑によると、学閥とは「ある学校の出身者や学派によって作られる派閥」とあり、大辞泉には「出身学校あるいは所属学派を同じくする人々によって作られる排他的な集団」とある(以下、※は筆者による注釈)。
まずは、「出世度」を判断するための前提となるデータについて。ベースとなるのは、連載第1回と同様、「ダイヤモンドD-VISIONシリーズデータベースサービス 役員・管理職情報ファイル」である。表1から表3は、日本全国の上場企業で働いている役員・管理職の総数を、国立大、公立大、私立大に分けて、出身大学別に並べたものである。
国公立大、私立大とも、ほぼ有名な順に並んでいることは一目瞭然である。だが、ここで踏まえておきたいポイントが2つある。
1つは、各大学の学生数(累計の卒業者数など)は考慮されていないこと。もう1つは、調査の対象が日本全国の上場企業である以上、偏差値上位校ほど卒業生数に占める上場企業への就職者数の割合が高くなっているであろうことが、容易に想像できることである。
簡単に言ってしまえば、卒業生の人数が多い大学ほど上位に並びやすくなり、と同時に偏差値の高い(就職に有利と思われる)大学ほど、ふるいに残る人数が多いという意味で、就職時点でのアドバンテージ(下駄)を持っているということだ。
つまり、表1~表3では、上場企業への就職者数が大学ごとにどういう分布になっているのかは、考慮されていない。