だが、ここがまたあくどい。交わす契約書の内容は、不動産を担保にするのではなく、所有権を移転させる売買契約。つまり、気づかないうちに家は不動産業者に売却され、他人の手に渡ってしまうのだという。

「月々の年金?怪しまれないように最初のうちは払うけど、半年も経たずに止めますね。その頃には、僕らも会社ごと逃げていますし」

 B氏のグループは不動産関係に明るく、「原野商法」の二次ビジネスのようなものまで手掛けている。

 原野商法とは、無価値に等しい土地、つまり原野を「開発されるから確実に値上がりする」と偽って、高額で売りつけるビジネス。80年代に流行し、社会問題になったことを覚えている読者も少なくないかもしれない。

「当時の被害者で、そのまま泣き寝入りした高齢者が多いんです。過去に原野商法の被害に遭った消費者のリストから、『放っておいてある土地に、中国人向けのリゾート施設が開発されるから高く売れますよ』って営業をかけて、測量サービスや新しい土地の購入をさせて費用を請求する。つまり、原野商法の“おかわり”というわけです」

 “おかわり”もまた、振り込め詐欺の業界用語だ。投資系の詐欺で、一度被害に遭った客にさらに投資話を持ちかけ、失った分を取り返そうと躍起になる心理に付け込む行為を指す。

「そういうタイプは、詐欺をやっていたときの経験でピンとくるんです。結果、三次被害、四次被害まで“おかわり”して、億単位でむしり取られた客もいます」