1000字のものを150字にするには、
前半の850字を、バッサリ切る
「それでもやっぱり、150字にはおさまりきらない」
と言うに違いない。心配しなくていい。時間はたっぷりある。たっぷり時間をかけて、何度も書き直していけばいい。150字に入らないのなら、1000字でも、2000字でも一度書いてみて、削ってみることだ。
1000字で書いたものを見て、「もうこれ以上、一字も絶対削れない」と君は言うだろう。そういうときは、テーマを変えればいい。
「いや、テーマは、絶対これでやりたいんです」
というときのテクニックを教えよう。
1000字のものを150字にするには、前半の850字を、バッサリ切るのだ。
簡単でしょ。だいたい君たちの書くものは、前置きばっかり長いのだ。
たいていの、自己紹介も志望動機も、前置きだけで終わっているものばかりなのだ。
これで、合格の150字ができたわけではない。まだまだ、前置きにすぎないからだ。
本当は、1000字のうち、前半の950字を切る。そして、残ったおしまいの50字から書き始めたものを、また書くのだ。それを何度も繰り返す。
君たちが一生懸命書いてきたものを、ほとんど読みもしないで、最後の50字を残して、赤ペンでななめに消すと、本人は、最初は烈火のごとく怒る。そのうちに、涙ぐんでくる。
「こんなOBのところに来たのが間違いだった」
と思うようになる。たぶん、間違いだったのだろう。それ以来、来なくなってしまう人もいる。なぜ、読みもしないで、そんな乱暴なことをするのかというと、君たちは一番面白いことを、大切そうに後ろへ後ろへと持ってくるクセがあるからだ。
かぎられた時間の面接では、面白いことから先に書いていかねばならない。野球の打順のように、3番4番に持ってきてしまうと、間に合わない。面接は、ワンアウトで終わりだ。
草野球の打順は、強いもの順だ。面接は草野球方式がいい。
9回ウラで逆転するのではなく、1回表に大量得点をとって、勝負を決めるのだ。
言いたいことから先に言おう