僕自身、小学生のころに同じような「発見」の体験をしていたのをいまでも覚えています。当時はまだ英語はチンプンカンプンだったのですが、なぜか歌詞カードを指でなぞりながら洋楽のレコードを聴くという一風変わった趣味を持っていました。
そうするうちに僕は、「th-の発音はサ行でもダ行でもない」とか「日本語とは種類の違う母音がある」といったことにいつのまにか気づいていたのです。この体験があったため、中学校で英語の授業を受けたときにも、「(あ、これはあれのことだな!)」とスムーズに理解できました。
頭ごなしに教えられたことよりも、自分で見つけたことを人はよく覚えているものです。ぜひお子さんが「自分で気づく」ためのきっかけづくりを意識してみてください。
こちらにおすすめCLIL入門教材をあげておきました。
▼Guess What! American English - Student's Book(Cambridge University Press)
「算数・理科・社会のトピックを通して英語を学ぶ」というコンセプトでつくられたシリーズ教材で、音声やDVD、ワークブックも購入可能です。6つのレベルがあり、レベル1からはじめるといいでしょう。最初から全部をやろうとせずに、まずはDVDがカバーしているメインクエスチョンにフォーカスして学習するのがおすすめです。
▼Explore Our World(National Geographic Learning)
理科・社会のトピックを通して、自分たちの生きる世界を英語で学んでいく教材シリーズです。全部で6レベルあり、こちらも音声・映像・ワークブックが揃っています。こちらも1からはじめることをおすすめしますが、簡単すぎると感じたら、一気にレベル3や4に飛んでしまってもいいでしょう。
▼KUMON Math Workbooks(Kumon Publishing North America)
公文式がアメリカで展開しているネイティブの子ども向け算数ドリルです。子どもがすでに「算数」の授業で学んでいる内容であれば、かなりスムーズに英語で学ぶCLILの世界に入っていけます。
※注:本記事の内容は『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋・再構成したものです。記事中の参照文献・おすすめ教材などは、こちらのサポートページでご確認いただけます。
「世界最高の子ども英語」専用サポートページ
https://booksdiamond.wixsite.com/childenglish
J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。