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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

事件は現場で起きている!
いまこそリアルタイム・ビジネスの実現を急げ

安間裕
【第1回】 2012年1月18日
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夜明けのために、いますべきこと

 欧米では、または、日本においても成功した企業は、バブルがはじけた時点で、キングギドラに負けそうになったモスラが、一か八か、変身をとげ、(モスラは雰囲気、気が弱そうなキャラなので、たぶん勇気を振り絞って)勝負をかけて空に飛びたったように、頑張って、短期的な設備投資を行い、弾力性とフットワークのあるITに生まれ変わりました。

 具体的に言えば、コンピュータのオープン化(メインフレーム中心のシステムからサーバーとPCなどからなるネットワーク・システムへの移行)を行い、あらゆる手段でランニング・コストを抑制し、来るべき時代に備え、ITの新規開発投資を行える体制を整えました。

 ところが、多くの日本企業は、いつまでも繭から出ず、何もせずに、キングギドラが去るまで、じっと、待った。このことが、最近になって、大きな差になってきています。

 少し古いですが、ガートナーの2007年度のIT投資マインドに関する国際比較調査によると、16ヵ国中、日本は他を大きく引き離してダントツの最下位でした(「IT予算の対売上比率」「CIOを置いている比率」「経営陣がITの重要性を意識している比率」「攻めのIT投資」などの7指標で比較)。最新のデータは見つけられていませんが、当時よりも、IT投資が抑制されている現在の日本においては、このポイント差はさらに広がっているのではと思っています。

 これって、ショックですよね?

 私が訪問する日本の多くの企業は、IT投資を他の日本企業とベンチマークして、うちは高い・低い、といった話を、時々なさっています。他に指標を持ちにくいので、それはそれで仕方がないことなのだろうと思います。しかしながら、その比べている相手が国内企業であり、結果として、最下位同士で比較しているんだということを「自覚」しておかないと、この指標をずっと使い続けている限り、永遠に最下位脱出は不可能だと思います。

 やっぱり、Jリーグを目指すんだったら、せめて、J2のチームくらいをベンチマークしないと、ずーっと下部リーグで試合をやっていることになるのは当たり前だと思います。

 当然のことながら、IT投資を最低限にとどめようというダイレクションは、「引力」として、守りのITに多くのIT予算を費やす方向に働きます。なんだか、私はこれを、ITフレミングの法則と呼びたいくらいです。

 こうして、日本はバブル以降、ITを「武器」として見ず、「コスト」として見て、必要最低限に抑えることばっかりを一生懸命にやってきたんだと思います。同じ時に、欧米は、ITを「武器」にすべく、槍や弓矢を研ぎまくっていたんだと思います。そうじゃなければ、上図のようには絶対になりません。

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グローバル経済のなかで地盤沈下の進む日本。再びIT先進国として飛躍するためには、ITをビジネスの武器とする発想が必要だ。ビジネスは現場が肝心。現場の意思決定のスピードアップなど現場力向上に先端ITをどう生かしていけばよいか、IT業界のフロントランナーがわかりやすく解説する。

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