ベラスケスの生涯に触れられる「プラド美術館展」

 ベラスケスの仕えたフェリペ4世は、王室の絵画コレクションをより充実させ、現在のプラド美術館の礎を築いたことで知られています。そのサポートをしたのがベラスケスで、宮廷画家の仕事は王家の人々のために絵画制作をするだけでなく、王室の美術コレクションの管理、そして新たな美術品収集と宮殿装飾もその仕事に含まれていたのです。

 2月24日から国立西洋美術館で開かれる「プラド美術館展」は、ベラスケスの作品が7点も来日するだけでなく、敬愛する先輩画家ルーベンスの作品や、二人で模写したティツィアーノ、ベラスケスと親交のあったスルバラン、そしてベラスケスがフェリペ4世のために発注したクロード・ロランの理想的風景画など、ベラスケスの生涯で縁があった多くの作品が来日します。プラド美術館が誇る昔日の巨匠たち“オールドマスターズ”の魅力を、ベラスケスの生涯に重ねあわせて堪能されることをお勧めします。