よく使われる例では、(1)「あなたは幸せですか?」、(2)「最近いつデートをしましたか?」という二つの問いを(1)→(2)の順で問うか、(2)→(1)の順で問うかで答えに大きな差が出るということです。前の質問がアンカーとなり(あるいはフレームを構成し)、次の質問への答えに影響を与えるのです。

 こういうことを踏まえてフレームワークを活用しないと生産的な議論ができないということです。だからこそ、ゴールを見据えて、はじめにしっかりとプロセス・デザインをしておく必要があるのです。

内発的な動機付けが
行動の変化を促す

──ファシリテーターは、議論のプロセスをデザインし、それが機能するように場をコントロールし、さらには論理的な議論が展開されるように導く。その結果として、4つめの「合意形成、行動の変化」が起こるのですね。

ファシリテーションを学ぶ人たちのバイブルとなっている森氏の代表作『ザ・ファシリテーター』『ザ・ファシリテーター2』、最新作の『ストーリーでわかるファシリテーター入門』(いずれも小社刊)。

 そうです。ただし、ここで大事なのは、参加者が自らの意思で合意できたかどうかです。人間というのは、誰かから強制されても動こうとしませんが、自分たちで決めたことには内発的な動機付けが起こりますから、遥かに行動の変化が促される。そういう状況をつくるために、ファシリテーターは様々な工夫をするのです。

 もっとも、動機付けも一種の感情の働きなので、わりと早い期間で衰えてしまいます。それをうまく維持してあげることも、ファシリテーター、もしくは組織のリーダーの役割だと思いますね。

(写真撮影:宇佐見利明)

※次回へ続く