新刊『プロフェッショナル・ファシリテーター』が伝えるマインドの鍛え方。第3回は、修羅場を乗り切る6つの流儀を身につけるために日々行なうトレーニングと、明日から実践できる、平常心をもって「場」に関わるための自分の整え方についてのヒントを紹介します。

内面を鍛えるトレーニングを習慣化しよう

 どんなにすばらしいダンサーや音楽家であっても「もう、これで十分」と、日々の練習をやめることはありません。一流のスポーツ選手は、試合直前ま で精神集中や技術面のチェックを怠りません。同様に、プロのファシリテーターもまた、現場で最高の能力を発揮できるよう、独自のトレーニング法を持ってい ます。


 炎の達人は、6つの流儀を使いこなすために、日々、自身の内面を磨くトレーニングを行なっています

 トレーニングを続けると、どんな時も集中し、同時にリラックスした状態を保ちながら、思いやりを持って接することができるようになります。自分の悪いクセに気づき、すばやく心のバランスを取り戻し、平常心で「場」に臨む自分になれるのです。

 心身の状態に敏感になるトレーニングには、いろいろなものがあります。自分のできることで構いません。まずは3週間、毎日続けてみてください。そうすると、毎朝、無意識に歯を磨くように自然とそれが習慣になるでしょう。

21日間は、習慣にするために必要な最低日数です

  自分に問いかけることで、新たな視点が見えてくる 

 人は、自分が認識できることしか変えることができません。内面を磨く心の啓発を続けるということは、無意識に持っている思い込みや先入観、解釈を一端横に置き、新たなものの見方や考え方を手に入れるということでもあります。

 自分が偏った見方をしているかどうかを知るいちばんシンプルな方法は、さまざまな角度から自分自身に問いかけてみるということです。

 行き詰まった時や、フラストレーションを感じた時に、次のように問いかけてみましょう。

 「いま、私に影響を与えているストーリー(先入観や仮説)は何だろうか

 「そのストーリーから、どんな思いやこだわりが生まれているか

 「それは、いま、この状況に役立っているだろうか