1.株・投資信託の確定申告

Q1:株の売買や投資信託の解約で利益が出た場合、必ず申告は必要?

A:株の売買や投資信託の解約により利益(譲渡所得)があった場合、確定申告が必要かどうかは、「取引口座のタイプ」「売買の利益(譲渡所得の金額)」および「会社等での年末調整の有無」(おもに会社員か、個人事業主か)で決まります。次の2ステップで判断してください。

●STEP1 取引口座のタイプを確認する
 取引口座については、以下のように「一般口座」と「特定口座」の2種類あり、さらに「特定口座」は2つのタイプに分かれます。取引口座は必ずこのうちのどれか、もしくは後述する「NISA口座」になっています。

(1)特定口座
 次に挙げる一般口座と違って、証券会社や銀行のほうで、1年間の税金の計算を行ってくれるのが特徴です。結果は「年間取引報告書」にまとめられ、本人に郵送されます。証券会社や銀行が税金の支払いを代行してくれるかどうかで、さらに2つのタイプに分かれます。

●源泉徴収ありタイプ(源泉徴収口座)
 利益が出ていた場合、証券会社や銀行が納税まで代行してくれるものです。会社でいえば、給与から所得税が天引きされるのと同じです。確定申告は原則不要です。

●源泉徴収なしタイプ(簡易申告口座)
 利益が出ていた場合、証券会社や銀行から送られてきた年間取引報告書をベースに、自分で税額を計算して納税する必要があるものです。確定申告は原則必要です。

(2)一般口座
 取引明細をもとに、1年間の税金の計算を自分で行わなければならないものです。利益が出ていた場合、確定申告や納税もすべて自分で行うことになります。確定申告は原則必要です。

●STEP2 会社員は「株の売買等の利益+副業等の所得」が20万円超か確認する
 ただし、確定申告が原則必要な「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」であっても、サラリーマンやOLなど会社で年末調整を受けている人であれば、株の売買などによる利益と給与所得以外の所得(たとえば副業などによる所得)の合計が20万円以下であれば、申告の必要はありません。

 つまり、確定申告が必ず必要なのは、

・一般口座か特定口座(源泉徴収なし)で取引している個人事業主(もしくは会社員で年末調整していない人)
・一般口座か特定口座(源泉徴収なし)で取引している会社員(年末調整している人)で、株などの利益や副業などによる収入の合計が20万超の人

※ただし、株などの利益や副業などによる収入の合計が20万以内の会社員の人でも、自治体に対して住民税の申告はする必要があります。

 となります。以上をまとめると図のようになります。図中の右側の欄の「申告不要だが、申告したほうが得になるケース」については、Q3、Q4でお話しいたします。

2018年に行う確定申告で1円でも多く税金を取り戻すには(2)

 なお、NISA口座の人は年間の投資元本120万円までの利益は非課税です。