7位「一つ目のジャンプを失敗した時点で、笑えてきました」
(フィギュアスケート 宇野昌磨選手)
完璧に滑れれば優勝も、というプログラムで、最初のジャンプを失敗。並の選手であれば、そこから気持ちがくずれていってしまいそうですが、宇野選手は違いました。焦るどころか「笑えてきた」と語ったように、みごとに立て直し、堂々の銀メダル。
「(五輪は)僕にとっては特別じゃない。最後まで1つの試合でした」とも語るなど、初出場とは思えない精神的なタフさが、コトバにもよく表れています。
6位「「努力は、我慢して、我慢して、我慢して
報われるということが本当に身にしみたので、
皆さんも努力を続けてください」」
(モーグル 原大智選手)
日本のメダル第一号となる、銅メダルを獲得した原選手。大会前はまったくのダークホースでしたが、日本中にその名を知らしめる圧巻の滑りを見せてくれました。これまでなかなか注目されずに、それでもひたむきに己をみがいてきた原選手のコトバ。勇気をもらった方も多いのではないでしょうか。
原選手はモーグルの天才であり、伝えるのも天才的なのでしょう。
でもこのコトバ、感動する秘密は、伝え方の技術でも説明がつきます。
同じコトバをくりかえすことで、深く印象づける技術、「リピート法」。
「我慢して報われる」ではなく、
「我慢して、我慢して、我慢して報われる」
と同じコトバを3回くりかえしたことで、原選手の感情が120%伝わってくる名言になったのです。
5位「スポーツは言葉のいらない
コミュニケーションだと思っています」
(スピードスケート 小平奈緒選手)
「冬季五輪の主将は勝てない」。そんなジンクスを吹き飛ばし、日本に金メダルをもたらした小平選手。レースだけでなく、他国のライバルとの美しい友情も話題になりました。
話せなくても分かり合えるという、スポーツの素晴らしさを教えてくれる名言です。
このコトバが印象的なのも、伝え方に秘密があります。「言葉のいらない」と「コミュニケーション」という、ふつうならば正反対のコトバが入っているのです。これは、「ギャップ法」という伝え方の技術。正反対のコトバを入れると、ギャップが生まれ、記憶に残る強いメッセージを作ることができるのです。
かつて、毎大会金を獲得していた田村亮子選手の
「最高で金、最低でも金」
にも通じる、心に残る名言でした。