小耳に挟ませて仕事の基本を学ぶように導く
こういう思いに支配されている部下は扱いにくく、上司も避けるようになって接触回数が減ります。そのため、ますますきちんと仕事を教えてもらえなくなるという悪循環に陥るのです。
このように、ある種の困ったプライドに支配されている人は、若者だけでなく、ベテランであるにもかかわらず役職がついていないような社員にも見受けられます。
大事なのは、そういう人たちを放置しないことです。
重要なメンバーである彼らが、いい行動をとってくれさえすればいいのです。あえて、彼らのプライドを傷つける必要はありません。彼らの特質を知った上で、望ましい行動をとってもらうようにしましょう。
彼らは、そのプライドゆえに「自分には行動の教科書など必要ない」という態度をとるかもしれません。そんなときは、「これを使え」と押しつけるのではなく、さりげなく「そういうものがあるらしい」と小耳に挟ませるという手法をとるのもいいでしょう。
実際に、私たちがコンサルティングを行う現場では、そうした工夫がなされています。
ある企業の30代の社員は、非常にプライドが高いタイプでした。そこで、まず、彼の後輩に行動の教科書を使ってもらい、それを見てもらいました。後輩の行動が変わり、成果が目に見えて出始めると、徐々に興味を示し、手に取ってくれるようになったのです。