敬語は、社会人としての経験を積んでいくうちに、自然と身につくものではありません。意識的かつ効率的にマスターするために何をすればいいのでしょうか?
『入社1年目の教科書』著者の岩瀬大輔さんは、おすすめしないとのこと。その理由とは? 不安を覚える新入社員にアドバイスする。
本記事では、ライフネット生命社長の岩瀬大輔さんの新刊『入社1年目の教科書 ワークブック』から、内容の一部を再編集し特別公開する。(まとめ/編集部)

※本文写真の新入社員Cさんはイメージです。

おかしな敬語を使って恥をかきたくないけれど、どうやって身につければいい?

敬語は
基本的なビジネススキルである

新入社員Cさん
岩瀬大輔さん

新入社員Cさん(以下Cさん) 『入社1年目の教科書』の50ルールの33に「敬語は外国語のつもりで覚えよ」ですが、いろいろわからないことがあるのです。

岩瀬大輔さん(以下岩瀬さん) 私はいつも敬語は外国語だと割り切って覚えるとお伝えしていますが、どんな疑問をお持ちですか?

Cさん 正直、言葉は時代とともに変わるものだから、あまり敬語にこだわらなくてもいいのではないかと思ったりします。

岩瀬さん 言葉は変わります。それはその通りなのですが、変化のサイクルは数十年単位なので、今日、明日でガラリと変わるのではありませんよね。現在の企業社会を生きている皆さんには、現在の敬語というルールが適用されることに変わりありません。エクセルやパワーポイントを使えるようになるのと同じだと考えてみてください。この先、エクセルを使わない時代がやってくるかもしれませんが、ひとまず基本的なビジネススキルとして身につけますよね。それと同じです。

Cさん たしかにそうですね。でも、私の入社する会社はどちらかというとラフな印象で、先輩や上司も、それほど敬語が上手とは思えません。それでも社会人として立派にやっているのですから、あまり気にしなくていいように思えてなりません。

岩瀬さん 入社予定の会社で生きていくだけであれば、その考え方でも通用するでしょう。 でも仕事で活躍したい、さらなる成長の機会を得たいと考えているのであれば、敬語をおろそかにしてはいけません。SNSなどでも、敬語を使えない人、おかしな敬語を使う人に対する攻撃はかなりのものがあります。つまり、まだまだ日本は敬語社会だということですね。社会人の常識として、敬語はマスターしておいたほうがいいと思います。

Cさん たしかに、活躍したい思いはあります。ただ、今は敬語に対する意識も低くなってきたと思います。ビジネスでは「敬語ができる」ことは、差別化につながらない気がします。

岩瀬さん それは認識が違うと思います。敬語を使いこなすビジネスパーソンほど、相手にも同様のレベルを求めるでしょう。また、一定の年齢以上の人は、若者言葉に対するアレルギーを持っていることもあります。ビジネスで使う言葉に気をつけなければならない場面は、むしろ増えていると言えるかもしれないのです。であれば、身につけて損することはないでしょう。